「作っておしまい」ではなく、使い続けられるシステムを。止められないシステムを守る保守の仕事

当社のシステム構築・システムコンサルティングの特徴のひとつは、要件定義から開発・運用、保守をワンストップで提供できることです。
中でも、稼働を止めることなく正常にシステムを動かし続けるための保守業務は、責任感を求めらえる大事なポジションと言えます。
今回は稼働システムを守る保守業務を担当している第3グループリーダー北村和章さんにお話を伺いました。

社員インタビュー #007

エンジニアの仕事を通して感じたIT革命という大きな時代の流れ

あああ

――北村さんは当社でエンジニアとしてのキャリアが一番長いと聞きましたが、今年で何年目になるのでしょうか。

北村: 27年目になります。大学を卒業後、CSK(現SCSK)にSEとして入社しましたが、その時はこんなに長くエンジニアを続けているなんて、想像もしてなかったです。コンピューターが好き、という理由で、当時注目されていたSEに応募したら、試験に合格して入社した、みたいな流れでしたから、不思議なものですよね。

――興味を持ったことに対して、堅実に深堀できたから、エンジニアの面白さを知れたんですね。

北村:実際、仕事はとても面白かったです。最初は、プログラムを書くプログラマーからスタートしました。数年間は地道にプログラムを書き、必要な技術を学びながら経験を積んでいき、PM(プロジェクトマネージャー)的な業務も行うようになりました。一つひとつ段階を経て身に付いた技術を活かしていった感じです。

――プログラマーから始まり、PM職へ進む中で、仕事に対しての想いに変化はありましたか。

北村:最初はコンピューターが好きというだけで、エンジニアを目指しましたが、さまざまな案件に参画し、システムが思い通りに動く面白さをどんどん感じるようになりましたね。エンジニアの醍醐味というか、作る楽しさです。新しい技術やプログラミング方法を知るたびに、別のアイデアも浮かんできますし、技術を応用した規模の大きなシステム構築にも興味が湧いてきます。
その頃、世間ではWindows95が社会現象となり、インターネット関連事業が凄まじい勢いで成長を遂げていました。会社もそれに遅れまいと、ネット事業が強化され、私もネットのつなぎ方、ブラウザの使い方など、一般コンシューマー向けのサービスを行う事業部へ異動となり、プログラムからは一旦離れる時期もありましたが、その後、ポータルサイトの機能拡張を行うため、あるIT企業へ常駐することになりました。

――BtoCのECサイトや国内最大級のポータルサイトの業務はいかがでしたか?

北村: 誰もが知っているポータルサイトの運営をしている若くて勢いのある会社だったので、そこにいるエンジニアはもちろん、ほかの事業部の人たちも活気に溢れていて、IT革命と呼ばれる時代の流れを強く感じました。
BtoBのサービスに関わることが多かったので、自分の作ったものがサイト上で直接確認できる喜びは大きく、達成感もとてもありました。

――成長する業界でもあり、エンジニアの需要は増える一方だったと思いますが、そんな中、SCSKから当社に転職したのはどうしてでしょうか。

北村:大企業では、年数が経ってくると、それなりの規模や予算のある仕事を関連会社や下請けに回していくという業務が増えきます。新しいことにチャレンジするような面白い案件からは、どんどん離れていく中で、自分の技術をもっと活かしていきたいと思うようになったんです。
そして、これからエンジニアとして、どのように仕事と関わっていくべきなのかを考えたとき、意欲的に仕事ができる会社が合っていると思い、ご縁もありアヴァントへ転職しました。
私が転職した時、アヴァントはまだ社員が10人程度でしたが、お客様からの信頼も厚く、これからもっと成長していける会社だと感じました。

―小さい会社ならではの、小回りの良さや裁量の大きさ、仕組みを作っていくという楽しさもありますね。

北村:そうですね。前職ではたくさんの人がそれぞれの部署で決められた役割の業務をこなしていましたが、中小企業は違います。
私も転職当初は、新人研修も担当していました。驚いたのは、未経験でのエンジニアになりたいと思って応募してくる方が多かったことです。少し前まで、エンジニアはあまり人気のない職業でした。けれど、未経験でもエンジニアという職に就いてみたいと思うのは、エンジニアという職業に対する見方や、重要度も増してきているんだなと、以前感じた時代の流れとはまた違った時流の変化を感じました。
その当時、研修したメンバーはいまも同じフロアーで仕事をしています。一人前のエンジニアとなり、活躍している様子を見ると、素直に嬉しいですね。

あああ

もうすぐ3歳になる娘さんと遊ぶのが一番のリフレッシュ。

あああ

止めることのできないシステムにカッコよすぎるコードはいらない

あああ

――北村さんに教えもらいましたと言う社員は多いですね。現在メインで担当されている業務は保守になりますが、保守と言う仕事はどんなことをされているのか、教えていただけますか。

北村:簡単に説明すると、稼働しているシステムのバグを修正したり、必要に応じてエンハンス(機能拡張)したり、お客様からトラブルの連絡があった場合にログを確認して原因を探り解決する仕事です。
テストでは想定できない情報量が入ってきたり、時間が経たないと気付かないバグというのは必ず出てきます。作ったものは手を入れないとダメなんです。放っておくといろいろな問題が起こります。

保守はその名の通り、作ったシステムをよい状態で使ってもらえる環境を保ち、正常に稼働するようにシステムを守る仕事ですね。
一度動いたシステムは止めることはできないので、責任のある仕事だと思います。

――トラブルを防ぐシステムの作り方とかあるのでしょうか。

北村:一概には言えませんが、トラブルの原因の多くは、ソースコードにあります。当たり前のことですが、正確なコードを書くことは重要です。
また、上級者は何行にも渡る難しいコードを1行で書く、いわゆる「カッコいいコード」を放り込んできますが、カッコよすぎて解読が難航することもあります。前述しましたが、作ったものは手を入れないといけません。

あとからメンテナンスをすることを考えて、読みやすく効率の良いコードを書くことは、トラブル回避や問題の早期解決に繋がるので、大事なことだと言えます。

――たくさんの人が関わっているシステムだと、コードの種類もさまざまかと思いますが、保守には幅広い知識も必要になりますね。

北村:保守に関わらず、システムという仕事に関わっている以上、新しい技術に対応できるように、スキルを向上させていく勉強は必要です。
あらゆる可能性を考え、対応できる技術があれば、これは複雑で難しいぞという時でも、きれいに動かせます。完了した時の達成感は格別です。

また、保守は不具合改修だけでなく、機能追加もあるので、現行のシステムを活かして、必要な機能追加をどうやって実現していくかをお客様と考え、システムをどんどん向上していけるのもやりがいです。

「作っておしまい」ではなく、使い続けられるシステムにするのが保守の役割だと思っています。

あああ

アジャイル開発が主流だからこそ必要な「考える力」

あああ

――そういった想いで開発に携わってくれるエンジニアも育てていきたいですね。

北村:私はエンジニア歴で見るとベテランですが、新しい技術を習得している若い人のスキルにはかなわないと思っています。こちらが学ぶことも多いです。ですが、そういった人の中には、基本的な技術を積んでこなかったり、流行りの言語だけ追及する人もいます。
ですから、若い人が入ってきたときには「エンジニアとしてちゃんと育てていきたい」という気持ちで接しています。若手にはしっかり学んでもらい、エンジニアとしてはもちろん、社会人としてもまっとうな大人に育ってくれる手伝いがしたいですね。
そして、アヴァントは小回りの利く開発が信条なので、そこは守りながら、いまの路線をさらに強くしたいと思っています。

――新人教育で北村さんが心掛けていることはほかにありますか?

北村:年齢が離れているので、あまりうるさく言わないようにしています。作業指示は必要ですが、一から十までは言わない。自分なりにやってみるようにしてくださいと。ほかの仕事も同じですが、まずは自分で考える。
ただ、あまりやり過ぎると放置になってしまうので、バランスを見ながらやっているつもりです。
昔はガチガチのウォーターファール型が主流でしたが、いまは、ちょっと動かして、作り上げていくアジャイル開発が増えています。エンジニアとしての技量が試される分、自由に考えられる領域も広いです。

厳しい局面はありますが、それを超える楽しさがあるので、ぜひ自分で考えて進めていく力を身に付けて欲しいと思います。

あああ

◆プロフィール
北村和章 第3グループシステム開発 グループ長
長野県出身。法政大学卒業後、株式会社CSK(現SCSK株式会社)にSEとして就職。以来、27年間エンジニアとしての技術を積み上げ、現在は当社にてシステムの稼働に欠かせない保守業務を担当。