5000人の大手企業から100人のアヴァントへ。人生のターニングポイントで選んだ「やりがい」がある場所

2020年4月、アヴァントの新役員に就任した喜納秀行COO。三井不動産リアルティ株式会社を退職され、当社で新たなキャリアを築いていこうと決断されたきっかけや活況な不動産DX市場についてお話を伺いました。

節目を「よい転機」だとポジティブに捉えると新しい世界へ踏み出せる

私は、約8年間勤めてきた三井不動産リアルティ(以下リアルティ)を退職し、今年の4月に、アヴァントの役員に就任いたしました。リアルティは不動産仲介事業を営んでおり、2019年度の全国売買仲介取扱件数が全国No.1となる(2020年6月時点)など、業界最大手の位置にいる企業です。

私は在職中、IT部門でシステムの企画から導入までを手掛ける責任者の立場で、関わった仕事は数多くあり、ここでしかできない経験も多く積むことができました。そんな中で、アヴァントのCOOとして就任することを決めたのは、就任の前年、2019年が私や家族にとってターニングポイントとなる年であったことが大きなきっかけになったと思います。

最初は、2019年の夏頃に、知り合いの会社から転職の打診を受けたことでした。それまでは、会社を辞めて新しいことを始めようと積極的に思ったことはありませんでしたが、その話を機にこれからどう仕事と向き合っていこうかと考えるようになったんです。

同じ頃、長男が一人暮らしを始め、次男も20歳となり、妻の三回忌の法要も無事終えることができました。振り返ってみても、本当にいろいろなことがあった年だと思います。私はこの節目を「よい転機」だとポジティブに捉え、自分が思うように行動してみようと決意しました。

新しい世界へ踏み出す。そう思い始めたら、そのことしか考えられなくなりました。性格でしょうね。やろうと決めたら気持ちも止まらないんです(笑)
そんな時、アヴァントの代表である鈴木さんが声を掛けてくれました。鈴木代表とは10年来の知り合いで、良き相談相手、良きアドバイザーでした。

ああああ

ウォーターフォール型からアジャイル型へ。変わりゆくシステム開発

システム開発の手法は、開発工程をいくつかに分け、上流工程から下流工程に流していくウォーターフォール型から、短い期間で1つの機能を小規模に開発しながら全体のクオリティを上げていくアジャイル型へのシフトがトレンドになってきています。

私も前職で内製開発を取り入れアジャイル的にいくつかのプロジェクトを立ち上げましたが、マネ事の域を出ることはできず、また、アジャイル開発をサポートしてくれるベンダーとの付き合いもなかったため、アジャイルを体系的に学ぶことはできませんでした。
しかし、中長期的な戦略を考える上で、アジャイル開発でのプロジェクト進行が利用者のニーズを引き出すための有効手段であり、今後もニーズが高まる一方であることを肌で感じていました。

加えて、ソフトウェア開発には、単体で開発された小さなシステムを組み合わせながら、1つのサービスを提供する「マイクロサービス」という概念も広がり、AmazonやNetFlixなどの海外オンライン企業、日本ではLINEやクックパッドなど、人気サービスを提供している企業でも導入され、変化の追い風となっていると言えます。

いまは、大きな基幹システムを一から作る時代ではありません。お客様が欲しいと思うサービスやバックオフィスが必要とするシステムは、時代とともに変化していきます。けれど、ウォーターフォールで作ったシステムは大きすぎて作り直しにくく、時間もお金もかかる構造になっているのです。

小さく作ってシステムを繋げていく。そういった、「システムをリメイクする」技術を持つ企業に、転職先としての魅力を感じていましたが、大手ベンダーでそれを行っている企業は私の周りには見当たりませんでした。

システムを開発するだけの会社はたくさんありますが、アジャイル開発やマイクロサービスは、総合的な技術力がないと取り入れることはできません。加えて、上流工程から運用までワンストップで行っていることも大事な要素になります。
こうした要素を満たし、かつ次世代を見据えた経営を行っている会社は、おのずと限られてきます。

趣味のカメラ。ノスタルジックな雰囲気が漂う写真はどれも本格的。

あああああ

できていない部分の中にだけ、見つけられるもの

アヴァントでは設立当初から「これまでの一体型から分散型にシフトして、仮説検証を繰り返し成長させていく」という『スモールSI』という概念を掲げていました。この、「小さく始める」という考えは、まさにマイクロサービスであり、これからのシステム開発会社に必要とされる技術だと強く感じました。

また、中小企業には大企業にはない面白さがあります。それは、「すべてが整っていない」ことです。例えば、経費精算や勤怠管理、売上などを、エクセルや紙ベースで管理している会社はまだまだ多い。そうした時、この作業は、本当に紙である必要があるか、もう一度考える必要があります。
この「もう一度考える」ことがとても重要です。

改善する点があるかどうかを考えることは、会社が成長するトリガーです。
中小企業は、改善して成長する可能性が驚くほどあります。当然そこには、技術力や経営方針など、事業を展開していくための要素が不可欠になりますが、これまで自分が培ってきたスキルを活かし、共に成長し未来を創っていこうと思う原動力があるのが中小企業の魅力です。

そういった視点から見ても、アヴァントにはできてない部分もあり、改善することがたくさんあります。けれど、どこをどう改善したのか。この経験がこれからの私たちの武器となり、成長の支えとなります。

改善する部分、つまり、できていない部分の中にだけ、見つけられるものがあります。
「面白さ」です。

できていないことが面白いのです。

ああああ

面白さ。それは「やりがい」でしかありません。

あああああ

⇒ 次回は、活況な不動産DXについてお送りします。

ああああ

◆プロフィール
喜納秀行 取締役COO
沖縄県浦添市出身。ソフトウェア開発会社に入社後、2006年にITベンチャー企業に転職、2008年に不動産関連のWeb運営会社へ転職。2012年10月より三井不動産リアルティ株式会社のIT部門にてシステムの企画から導入までを手掛ける。2020年4月アヴァントのCOOに就任。趣味はゴルフやガーデニング、カメラなど多彩。